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TWO PIECE

ブロガーに!俺は、なる!!
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キューピット
「ねぇねぇ、エリー。さっきから隣の人が僕のこと見てくるにゃー。」



僕はいま「空港行き」というバスに乗っている。

今日から5日間、西の方のおばあちゃんの家に行くらしい。

そのおばあちゃんの家には飛行機というものに乗らないといけないらしい。


空港とか、飛行機とか、おばあちゃんとかどうでもよかったのだが、

今回はアオイがお留守番で僕とエリーの二人旅ということが僕をワクワクさせた。


ところで、さっきから僕のことを不思議そうに眺めてくる人がいる。

通路を挟んだ向かい側の席に座ってる男の人だ。

歳はエリーと同じくらいか。社会人1年生くらいに見えた。

そんなに犬が珍しいわけでもないだろうにと僕は訝しがってエリーに聞いた。



「ねぇねぇ、エリー。さっきから隣の人が僕のこと見てくるにゃー。」

「きっと犬が珍しいのよ」

それは、思いがけない返答だった。

「なんでなんで!!犬なんてあちこちいるにゃー」

「このバスって空港行きでしょ。空港に犬が行くことが珍しいのよ。」


なるほど。そういうものなのか。

よくわからないが、僕は納得することにした。


「ほらほら、暴れないで、おとなしくしなさい。」

エリーはそう言うが、このお出かけ用のハウスは狭くて仕方ないのだ。



ふと、エリーを見上げると、笑顔でお辞儀をしていた。会釈というものだったか。

僕は顔を男の人の方に向ける。やはり男の人もはにかんだように笑って目をそらした。

それはこっそり見ていたことがばれた顔だった。

そうだ。僕のことを覗き見するでない。




空港に着くと僕はエリーとしばしのお別れだそうだ。

貨物室というところに行くらしい。






気がつくと、明るいロビーが見えた。

人がたくさんいる。どうやら、着いたらしい。

たくさんの人だかりのなかで、僕はエリーを見つけた。

エリーはさっきの男の人と並んで立っていた。

なにやら、仲よさげに見えた。




なんで?




そう思っているうちに僕はエリーに拾われた。

「じゃぁ、またいつか」

「はい、お互いよい旅行になりますように。」

僕の頭上でそんな会話が繰り広げられる。





やっと、顔を出せた僕はエリーに尋ねた。

「どういうことにゃー?」

「バレン、運命ってあると思う?」

「うーん?」

「私ね、あの人と飛行機席も隣だったのよ。」

それがすごい事なのかどうなのか僕にはわからなかった。

「きっと、運命の出会いよね。」

どうやらすごい事らしいのが、エリーの興奮からわかる。


「バレンの話しで盛り上っちゃった。バレンはキューピットかもね。」

「なんかエリーうれしそうにゃー。」


エリーがうれしそうなのはいいことだ。

ふと、エリーが変な紙切れを持っていることに気付いた。

「エリー、何持ってるにゃ?」

「ん?あ、これ。これは名刺っていうのよ。あの人、ハルトって言うんだって」




「ふーん。ところで、キューピットって何にゃ?」






ここから、エリーとハルトの物語は始まった。





【 ぴーしーず | 21:49 | - | - 】
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